奇跡の歌
2020年10月23日 16時07分合唱コンクールの練習が各教室から聞こえてくる。
その歌声はとても優しくて温かい。
気持ちが晴れない日も、みんなの声は応援歌となって背中を押してくれる。
2年前。
僕は2年生の副担任として合唱コンクールに臨んだ。
なかなかクラスが一つにまとまることはなく、ただただ時が流れていった。
昼休み。
リーダーが吠えた。
「どうせやるんだったらみんなで笑顔で楽しんでやろうよ」
水を打ったような沈黙の後、指揮者の合図とともにピアノの鍵盤がはじけた。
クラスが一つ前に進んだ瞬間だった。
それはそれはとてもいい時間だった。
リハーサルでは披露していない、ほかのクラスには内緒の必殺技があった。
「情報の漏洩は絶対に許さない」と、合唱リーダーに厳しく統制された(笑)
その必殺技とは、「最後のサビでみんなで手をつないで笑顔で楽しく歌う」こと!
その瞬間がくる。
僕の隣では担任の先生が大きな声で歌っていた。
その瞬間がきた。
担任の先生は僕の手を力強く握ってきた。
カップルつなぎだった。
一瞬、状況が読めずに顔が赤くなったが、それ以上にみんなの歌声が、表情が美しかったな。
結果は、最優秀賞。
それから3か月後、担任の先生は病に倒れ還らぬ人となった。
終業式の日、ホームルームで僕らは合唱で歌った星野源さんの『SUN』を歌ったんだ。
涙が出て声が出せない。
涙が出てピアノが弾けない。
祈りのような歌声が教室に響き渡った。
うまいとかうまくないとかじゃない。
できるかできないじゃない。
やろうとしたかどうか。
伝えようとしたかどうか。
今日、車の中で『SUN』を聞いて、学校に着いたらみんなの歌声が聞こえてくる。
最高にキラキラ輝いた、素晴らしい日。
みさこう、最高やな
本日【小さな親切】運動で表彰されました。(表彰後の全校記念撮影)