3センチの芸術
2020年10月8日 17時07分朝夕がぐっと冷え込むようになり、一気に秋めいてきました。
新型コロナウイルスの影響で、多くの学校行事が中止・縮小の傾向にあります。
三崎高校では、今年度の文化祭も一部内容を変更して実施する予定です。
野山の木々が紅葉し実を付けるように、
三崎高生もこれまで積み重ねてきた学びや経験の成果が形になるときです。
就職や進学試験、授業で学習した内容の発表、各種コンテストや大会への参加など、
多方面で皆さんの実りが深く豊かなものになるよう願っています。
美術の授業の様子をお伝えすると、1年生は貼り絵。
2年生は自画像やファッションデザイン。
3年生は、各々が決めた卒業制作に取り組んでいます。
先日、1年生の授業で絵の具を使った表現をしていたときのこと。
ある生徒が「先生、すごいのができました!」と嬉しそうに近づいて来ました。
生徒が握った手を開くと、そこには絵の具で染まった紙が一片。
感じたままに色を作り絵の具を塗って、ちぎったうちの一枚に心が動いた様子。
「なんとも言えない深みのある色ができたね!」
と感心して、その3センチほどの紙を覗き込み、私も心が動くのを感じました。
こうやって、日常の中で「おっ!」と心を動かせるような豊かな感性を育てたい。
見慣れたものでも、それらを効果的に組み合わせて新しい価値を与えられるような創造性を高めたい。
そんな想いで日々の授業に臨んでいます。
三崎高校で働くようになり初めての文化祭。
美術担当として、しっかり盛り上げ、芸術の秋を楽しみたいと思います。
日が落ちるのが早くなり、帰り道のトンネル出口からの夕焼けが最高の絵画です。